4月からぼくは一年生になる。
だから、宮崎県に住んでいるおじいちゃんやおばあちゃんが、遠くからぼくのランドセルを注文してくれたんだ。
でも、だいぶ前に注文したのに、ランドセルがなかなか届かない。
「ぼくのランドセル、いつくるのかなぁ~?」
3月に入ったある日、ぼくのランドセルが、やっと我が家に届いた。
「やっと、ランドセルがきた~!」
ぼくが嬉しそうにランドセルを箱から出していると、妹のうらやましそうなまなざしがぼくの方へ向けられる。
「はやく、背負いたいなぁ~」
ぼくは、夢中になってランドセルを組み立てた。
すると、
「わたしのランドセル~ 」
妹が、自分もランドセルが欲しいと泣き出した。
まじまじと中をのぞいていても、横で泣き続ける妹。
ぼくは、自分で選んだ黒いランドセルに大満足だ!
「え~ん ずるい~!」
妹の鳴き声がますますヒートアップしてきた。
いつまでも泣き続けている妹に、ぼくは先にランドセルを背負わせてあげることにした。
すると、びっくり!
大泣きしていた妹のこの笑顔。
「どう? かっこいい~?」
妹の豹変ぶりには驚くが、やっと静かにランドセルと向き合える。
今度は、ぼくが背負う番。
ついつい嬉しさが隠し切れなくなってしまった。
おしまい